公道に接していない土地へたどり着くには?「囲繞地通行権」について
今回は、「囲繞地通行権」についてお話ししたいと思います。
いきなりですが、このニュースをご覧になったことありますか?
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公道に面しない自身の田畑に行くために約50年間、
隣接する市有地を無料で通行することを認められてきた大阪府和泉市の80歳代の男性が、
市が有料化などを求めたのを不服として岸和田簡裁に調停を申し立てました。
男性の田畑は先祖代々受け継がれたもので、周囲は市有地や他人の土地に囲まれていて、
いわゆる「 袋地(ふくろち) 」と呼ばれる土地です。
民法では、隣接する他人の土地を通る権利(「囲繞地通行権」)が認められていますが、
隣接地の所有者は、通行料を求めることも可能です。
田畑に隣接する土地を1972年に取得した和泉市は、男性が無料で通行するのを認めてきましたが、
昨年の4月、2026年移転予定の大阪府警和泉署の予定地としてこの市有地の一部を府と交換、
残りの区画も売却することを決定した。
田畑に行くための幅約2メートル、長さ約50メートルの土地については、
男性に最大約900万円で土地を買い取るか、市が保有を続ける代わりに「通行料」として
年最大43万円を支払うよう求めました。
調停を申し立てた男性側は「長年認めてきた権利を一方的に奪うのはおかしい」と主張していて、
市は「市有地は市民の財産。これまでは例外的に認めていたが、売却を機に改めることにした」
としています。
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男性側としては青天の霹靂ですね。
ただ、市側の言い分も理解できるような…。
■囲繞地通行権とは?
「囲繞地通行権」とは民法で認められた権利で、民法第210条に以下のように記されています。
1 他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、
その土地を囲んでいる他の土地を通行することができる。
2 池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、
または崖があって土地と公道とに著しい高低差があるときも、前項と同様とする。
囲繞地(袋地を囲む土地)の所有者は通行を拒否することができません。
ただ通行する権利があるといっても、囲まれている土地のどこでも自由というわけではなく、
囲繞地の中で通行による支障がもっとも少ない位置で、かつ必要最小限の範囲に限られます。
通行料についてですが、支払う必要の有無についてはケースバイケースのようです。
民法にもどちらにもとれるような記載があります。
民法第212条では…
第210条の規定による通行権を有する者は、その通行する他の土地の損害に対して
償金を支払わなければならない。ただし、通路の開設のために生じた損害に対するものを除き、
一年ごとにその償金を支払うことができる。
民法第213条では…
分割によって公道に通じない土地が生じたときは、その土地の所有者は、公道に至るため、
他の分割者の所有地のみを通行することができる。この場合においては、償金を支払うことを要しない。
「んー、何だか分かったような、分からないような…。」
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「うちの家にたどり着くには、周りの家と家の間を通りぬけないといけないんだけど、
うちの土地ってその囲繞地なの?」
「先代から引き継いで、今のところ償金の支払いはないけど、今後どうなるのかしら?」
「そもそも袋地なんて売れるのかしら?」
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ページ作成日 2024-02-22