不動産売却できない!?:所有していること自体がリスキーな土地を相続してしまったら
今回は、土砂災害特別警戒区域についてお話ししたいと思います。
2022年のゴールデンウィークに入ってすぐに、横浜市中区打越の住宅街で、幅およそ10m、奥行き3mにわたる土砂崩れが発生し、付近に住む8世帯19人に警戒レベル4にあたる避難指示が横浜市中区から出されました。
今回土砂崩れが発生した場所は、神奈川県知事により土砂災害特別警戒区域、いわゆる「レッドゾーン」に指定された箇所でした。
土砂災害特別警戒区域とは、急傾斜地の崩壊等が発生した場合に、建築物に損壊が生じ住民等の生命又は身体に著しい危害が生ずるおそれがあると認められる区域を言います。
この区域内においては、
1.特定の開発行為に対する許可制
2.建築物の構造の規制
3.建築物の移転等の勧告及び支援措置
等が行われます。
また、宅地建物取引業者は、当該宅地又は建物の売買等にあたり、これらについて重要事項説明を行うことが義務づけられています。
ところで、インターネットの報道によれば、けが人はいなかったということが不幸中の幸いでしたが、
一歩間違えれば人命にかかわる事故でした。
この土砂崩れは誰の責任になるのでしょうか?
民法第717条第1項において、「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵(≒欠点、欠陥)があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。」と規定されています。
土砂崩れがあった場所が「工作物」に該当する場合、最終的に所有者に損害賠償責任が生じる可能性がありますので、注意が必要です。
しかも、これは無過失責任であるとされていますので、仮に、たまたま相続により取得してしまったなんていう場合でも、責任を負わなければならないことがあるんですね。
「財産」だと思って相続したのに、土地工作物責任込みで考えると、実質マイナスだった…なんてことも…。
横浜はもともと起伏に富んだ複雑な地形を有していますので、このような場所は決して珍しくありません。
中でも、擁壁も何もなく、地肌がむき出しになっているようなところは要注意です。
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