不動産売却の前に知っておきたい重要なポイント:前面道路が共有私道かどうか
今回は、共有私道についてお話ししたいと思います。
家の前の道路がいわゆる共有私道で、その道路が補修を要する場合、
工事を行うには共有者全員の同意を得ることが求められますが、
所在等が不明な共有者などがいると、軽微な補修であってもその同意が得られないために工事ができず、
その道路を利用している共有者にとって非常に困った事態に陥ってしまいます。
これは、民法の共有の規定等の解釈が必ずしも明確でないことから生じていました。
そこで、民法が令和3年に改正され、相隣関係規定が見直されました。
施行は来年(令和5年)4月1日です。
共有物の「管理」の範囲が拡大・明確化され、
軽微な変更について共有者全員の同意を得なくても良いことになりました。
(改正前民法のルール)
保存:各共有者が単独で可能。
管理:各共有者の持分の価格に従い、過半数で決する。
変更:(軽微であるかどうかにかかわらず)共有者全員の同意が必要。
(改正民法のルール)
保存:各共有者が単独で可能。
管理(狭義)┬管理(広義):各共有者の持分の価格に従い、過半数で決する。
変更(軽微)┘
変更(軽微以外):共有者全員の同意が必要。
また、先日、令和4年6月7日付で「所有者不明私道への対応ガイドライン」が改訂され、
改正民法の解釈が明確になり、具体的なケースにおける法の適用関係が示されました。
たとえば、共同所有型私道における対処例には以下のようなものがあります。
1.舗装の修復
→保存行為であり、単独で可能。
2.私有水道管の新設
→持分に応じた使用として単独で可能。
3.公共下水管の新設
→共有物の管理に関する事項に当たり、共有者の持分の過半数で決する。
4.舗装の新設・樹木の伐採(改正前民法では全員同意が必要とされていたケース)
→軽微変更に当たり、共有者の持分の過半数で決する。
共有私道には、相互持合型私道という民法上の共有関係にない私道もあったりして、
なかなか一筋縄にはいきません。
不動産売却を円滑に進めるためには、
自分が所有している不動産の置かれている現状やポテンシャルを正しく理解しておくことが重要です。
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